10 遺産分割協議と遺産分割協議書その1

 

・遺産分割協議と遺産分割協議書
 相続人調査により相続人が確定し、相続財産調査により相続財産が確定しましたら、相続人全員が集まって、財産目録をもとに、どの相続財産をだれがどういった割り合いで相続するかの話し合いを行います。これが「遺産分割協議」です。
 この遺産分割協議の結果を書面に書き記したものが「遺産分割協議書」になります。
 有効な遺言書があった場合には、遺言書の通りに相続財産の分配が行われますので、「遺産分割協議」は行われません。稀なケースとして、相続人全員が遺言書の内容に反対だった場合、相続人全員で分配の方法を協議することがあります。ただし、この場合でも相続人以外への「遺贈」に関しては拒否することはできません。遺言は、亡くなったかたの最終意思ですので基本的には遺言書の通りの分配がされることが望ましいです。

・遺産分割協議書の内容
 まず、亡くなったかたの
・氏名
・本籍
・最後の住所
・生年月日
・死亡年月日
 を書き、
・「上記被相続人(亡くなったかた)の遺産にかんして、共同相続人全員が遺産分割協議を行い、その結果以下のとおり分割し、取得することに合意した。」
 の文章を入れます。
 その下に
・相続財産を、不動産、預金、自動車などの項目ごとに記していき
・それぞれの相続財産をだれがそのように相続する
 のかを記していきます。ここの相続財産の書き方は「相続財産調査」のページでお話しした、「目録」と同じ書き方になります。
 全ての相続財産を書き終えたら、
・「以上の遺産分割協議の合意を証するため、本協議書をX通作成し、各相続人が署名捺印のうえそれぞれ1通ずつ所持する。」の文章を入れます。
 相続人が多数の場合は、「..合意を証するため、各相続人が署名捺印のうえ、本協議書1通を作成し、xxが保管する。他の相続人にかんしてはその写しを保管する。」
として、代表となる相続人に正本を、他の相続人には写し(コピー)を保管していただきます。
 さらに
・年月日:協議成立日です。一般的には最後に署名された方の直筆で記入します。
 相続人全員分の
・住所:印鑑証明書どおりのものを直筆で記入
・相続人氏名:直筆で署名
・それぞれ実印を捺印します

 遺産分割協議書の作成に関しましては、相続人全員の合意のもとで、亡くなったかたの相続財産を誰がどのように相続するかを記すことになります。
 こちらの作成も、正しい知識と経験がありませんと、後々思わぬトラブルになりかねません。わたくしども行政書士は「予防法務」のプロですので、トラブルが起きないようにみなさまに様々なアドバイスをすることが可能です。遺産分割協議書の作成に関しましては、ぜひわたくしどもにお任せいただきたいと思います。

 次のページでは遺産分割協議・遺産分割協議書にかんしてさらにご説明したいと思います。