はじめに、相続人となるかたがどなたになるかをお話しいたします。

 

6 相続人調査その2

 

 誰が相続人になるか、になりますが、原則として亡くなったかたに、
・配偶者(夫か妻)がいらっしゃえば常に相続人になります。
・お子様がいらっしゃれば相続人になります。
・お子様がいない場合、亡くなったかたの親が相続人になります。
・お子様も親もいらっしゃらない場合、兄弟姉妹が相続人になります。
 上記のうち、お子様が亡くなっていても孫、ひ孫がいれば相続人になりますし、兄弟姉妹が亡くなっている場合には甥姪が相続人になります。

 こちらでは、代表的な相続人の例をいくつかご紹介したいと思います。
1:
亡くなったかたに配偶者(夫か妻)と子供が2人いる場合。
相続人:配偶者、子供2人

2:
亡くなったかたに配偶者(夫か妻)がおり、子供はおらず、親が健在な場合
相続人:配偶者、亡くなったかたの親

3:
亡くなったかたに配偶者(夫か妻)がおり、子供はおらず、親も亡くなっている場合
相続人:配偶者、亡くなったかたの兄弟姉妹

4:
亡くなったかたに配偶者はおらず、子供もいない。親も亡くなっている場合
相続人:亡くなったかたの兄弟姉妹

 などが代表的な相続人の例ですが、ご家族によって一つとして同じケースは無いといっても過言ではありません。
 たとえば、内縁関係は相続人になりませんし、養子は実親と養親の両方の相続人になり得ます。前ページでも申し上げましたが、ここで相続人を間違えますと、相続自体が無効、ということにもなりかねません。
 相続人の確定は相続手続きの基本中の基本であり、間違えやもれの無いようにしなくてはいけませんので、相続人の調査、確定はわたくしたち行政書士のような、経験と法的知識を備えた専門家にご依頼いただく事を強くお勧めいたします。 

  

 戸籍の取得が終了しましたら、法務局(登記所)にて「法定相続情報一覧図」を作成することをお勧めいたします。
 相続手続きの中の、
・不動産の名義変更(相続登記)
・預金(銀行口座など)の解約や引継ぎ
・自動車の名義変更
 など、ほとんどの手続きに使えるうえ、手続きのたびに相続人全員分の戸籍謄本原本を持っていく必要が無くなりますので、とくに相続人が多人数になるときは、手間や時間的負担、紛失の危険を考えますと「法定相続情報一覧図」の作成が望ましいです。

 「法定相続情報一覧図」の取得の仕方は、
・表計算ソフト、ワープロソフトなどで相続人がすべて載っている相続情報一覧図を作成する
・法務局(登記所)の窓口か郵送(郵送の場合は返信用封筒を同封のこと)にて申請
します。

 申請には
・申請書
・亡くなったかたの出生から亡くなるまでの全ての戸籍謄本
・亡くなったかたの住民票の除票など
・相続人全員の、亡くなったかたとの関係性ができてから現在までの戸籍(場合によってはそれ以前のものも)
・申請者の身分証明書(住所の確認できるもの)
・法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載した場合は相続人の住民票か戸籍の附票
 などが必要になります。
手数料は無料です。

 申請できる法務局は
・作成した相続人の住んでいる場所
・亡くなったかたの本籍地
・亡くなったかたの最後の住所のあった場所
・亡くなったかたが所有する不動産がある場所
 を管轄する法務局となります。

 法定相続情報一覧図に関しては、作成することは義務ではありませんが、その使い勝手の良さから近年でほぼ作成することになっています。
 手続きの相手方も楽になりますので、戸籍収集による相続人調査が終了し、相続人が確定しましたら、ぜひ作成されますことをお勧めいたします。

 それでは、次のページから相続財産の調査にかんしてご説明したいと思います。