事前に行うこと 1

 

1 墓地管理者、お寺様に相談する

 お墓をしまう際に使う許可証を取るときに、現在のお墓の管理者に署名、捺印をしていただく必要がありますので、事前にご相談をしておきます。墓地でしたら管理事務所、共同墓地でしたら墓地管理委員会などに相談します。

 お寺様に関しては、なにをするよりもはじめに、あくまで「ご相談」としてお気持ちを伝えましょう。同じお寺様の納骨堂にご遺骨を移すなどの場合をのぞき、墓じまいをしてよそへ移るときは、檀家ではなくなることになってしまいますので、お寺様側の立場も尊重して、なぜ墓じまいをしたいのか、これから先はどのようにご先祖様を供養してゆきたいかなど、お寺様に納得していただけるまで時間をかけてご相談さしあげることが大切です。後ほど「離檀料」が必要とされるお寺様もあるようです。自分で出向いて、しっかりと意思をお伝えしましょう。

    

2 お墓の使用者の承諾をとる

 お墓をしまおう(移そう)とするご本人様が今のお墓の使用者であるときは問題がないのですが、墓じまいをしようとしているかたと、お墓を使用しているかたが異なりますと、使用しているかたに承諾をしていただかないといけません。

 例えば息子さんが実家から離れて、お墓から離れてしまった。ちゃんとご先祖様をご供養したいから自分の家の近くに移したいが、お墓の使用者のお父さまは実家におられる。というような場合です。

 この場合、いかに息子さんがお墓じまいをしようとしても、お父様の承諾がないとお墓はしまえません。事前に自分の考えをよくご説明差し上げ、承諾書に署名、捺印をいただけるように説得しておく必要があります。この場合、お父様ご本人が墓じまいをお考えの時は、承諾書は必要ありません。

 また、お墓の使用者の承諾のみでなく、後々のトラブルを防ぐためにも、ご家族、ご親戚には最低でもご自分のお気持ちを説明して差し上げ、ご先祖のお墓参りをしていただいているようなご友人、遠い親戚、本家、分家のかたも、どなたがいらっしゃるかを調べてご理解をいただいた方が良いでしょう。

   

3 新しいお墓の墓地、お寺様を決める

 お墓をしまう(移す)際に使う許可証を取るときには、新しく建てるお墓の管理者からの「受け入れ証明書」が必要になりますので、どこに移すのか事前に決めておきます。この証明書は新しいお墓を契約したあとに発行してもらえます。

 新しい墓地にお墓を建ててご遺骨を移すときなどは、事前に行き先を決めておく必要がありますが、お寺様のお墓で、後継ぎがいないなどの場合で墓じまいをするときには、今のお墓のあるお寺様に永代供養料を納めて、ご遺骨を納骨堂や永代供養堂などで永久に預かっていただき、供養も永久にしていただくことをお願いしてみましょう。後々までの管理の心配もなくなりますし、檀家のままでいられますので、おすすめの方法です。

 

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